お互いの家族の反応は様々

 結婚を決めた二人が、お互いの家族に報告する時はどんなケースでも緊張するものです。両方の家族とも他界している場合を除いて、これは二人が直面する最初の難関、あるいは祝福となるはずです。

 ヨーロッパや東南アジアなど複数の国同士が国境で接している地域では、国際結婚はよくあることですので家族がびっくりすることもありませんが、日本では家族もちょっとは驚くことでしょう。家庭によって、考え方も違いますので反応もそれぞれですが、「どこに住むの」、「相手と言葉が通じない」、「子供の教育はどうなるの」などといった質問を浴びせられるのが普通です。ちょっと変わった反応ですが、「戦争が始まったら別れ別れになってしまうから、国際結婚は反対よ」と母親に言われたという話を聞いたことがあります。

 日本人と結婚する相手の家族の反応も多種多様です。日本という国が豊かで発展している国、という好意的な考え方をしている家族なら大喜びすることでしょう。また、二人が愛し合っているのならそれでいい、と国籍の違いを問題にしない家族もいます。そのような温かい祝福を受けられればまずは第一の難関は突破したことになります。けれども東洋人に対する人種偏見から反対する家族や、相手が日本人であるために反対する家族もいます。私の友人の中華系イギリス人男性が日本人女性と結婚したケースですが、彼のおばあさんが戦時中の体験をどうしても忘れられないという理由で結婚式に参列しませんでした。

 できるなら両家に祝福されて結婚したい、というのが誰でも願うことです。でもどうしても無理なら、それは仕方のないことです。そのうちに受け入れてもらえる、と信じて二人の決断を大事にするべきです。国際結婚だから、という理由ではなく、息子を取られたと感じる母親がいたり、男性がどうも頼りないと感じる花嫁の父親がいたりと、日本人同士の結婚でもよくある理由で反対されるケースも多いようです。そのような場合でも時間の経過とともに和やかな関係になれたり、子供が生まれたとたんに優しく接してくれるようになったり、ということもあります。

 欧米の白人男性と結婚した日本人の女性が、クリスマスなどの家族の集まりで、女性陣たちから仲間はずれのような感じになってしまうので気が重い、とこぼしているのを聞いたことがあります。言葉が思う通りに出てこないので、知的ではないと思われたり、深い話ができない単純な人間だと思われたりすることがあります。男性が東洋人であるという理由で彼女を選んだと考えられてしまっている場合もあります。このような場合には、彼に理由を話して、集まりには参加しなくてもいいでしょう。重要なのは、自分自身の心を大切にするということです。自分自身がストレスに負けてしまっていると、知らず知らずのうちに家庭に悪い影響を与えてしまっているかもしれないからです。

 国際結婚はお互いの家族にとって、新しい世界を開いてくれる刺激になり得ます。二人の住む場所が違う国であれば、訪問という口実で海外旅行のチャンスも増えますし、一緒に食事をしながら新しい料理を口にすることもあるでしょう。いろいろな勘違いを面白い、と笑い話にしてしまうことだってできます。言葉が通じなければ、お互いに教えあったり、手振り身振りでコミュニケーションしてみるのだって、楽しいはずです。

 肝心なのは、二人は幸せな家庭を築くために結婚をする、ということです。幸せな二人を見れば、家族たちも祝福してくれるはずです。万が一、家族が賛成してくれなかったとしたら、話し合いをして誤解を解かなくてはなりません。どうしてもだめなら、二人の行く末を見せながら、ゆっくり時間をかけて理解してもらいましょう。


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