国際結婚をすると、日本籍の方を戸籍筆頭者として新しい戸籍がつくられます。また、身分事項欄のところに外国人配偶者との婚姻事実が記載されます。戸籍に記載されるのは日本籍の人間のみ、という規則があるからです。外国籍の者の名前は、姓・名・ミドルネームの順番でカタカナで記載されます。漢字表記もできる名前の場合、日本で使われている漢字の場合のみ使用できます。本籍地は、海外で生活する場合でも必要ですので、両親や兄弟(姉妹)と同じ住所にしておくと、先々戸籍謄本が必要になった際などに頼みやすいので便利です。
さて、国籍の問題ですが、こちらは相手国の法律によって状況は異なります。基本的に日本籍の者は、国際結婚の後でも日本籍のままです。けれども日本籍女性がアフガニスタン、イラン、エチオピア、サウジアラビアなどの国籍を持つ相手と結婚した場合は、自動的に夫と同じ国籍になります。インドネシアなどでは、インドネシア人と国際結婚する場合は、外国籍の相手は夫も妻もインドネシア国籍になることを要求しています。また、女性、男性を問わず、外国籍の相手と同じ国籍に変更したい場合には、それぞれの国の法律にのっとって手続きをする必要があります。
注意しなければならないのは、二重国籍になった場合です。これは、自動的に相手の国籍になった場合です。もしもその国籍を辞退できるのであれば、その旨の手続きをする必要があります。そうでなければ日本国籍を国に返還しなくてはなりません。日本の法律では二重国籍は認められてなく、20歳までに二重国籍になった場合は22歳までに、また20歳以降に二重国籍になった場合には二年以内に国籍選択届けを提出します。
日本滞在中ならば、市区町村へ届け出ますが、外国滞在中であれば、在外日本大使館・領事館に届け出ます。国籍選択届が二重国籍になった日から二年をすぎても提出されないときが、法務大臣から書面で勧告が来ます。日本国籍を選択したいのであれば、勧告を受け取った日から1ヶ月以内に手続きをしないと、日本国籍は取り上げられてしまいます。二重国籍が許されている国も多くありますが、日本国籍に関しては「まあ、そのうちに手続きをしよう」と軽い気持ちでいると、大変な事態になってしまうこともあるので気をつけましょう。
それでは、結婚相手と同じ国籍になりたい場合について見てみましょう。これは国によってそれぞれ異なりますので、それぞれの大使館・領事館へ問い合わせる必要があります。
例えばイギリスの場合、国籍を取得するためには結婚後最低3年間英国に在住する必要があります。そして本国のホームオフィスへ申請します。それまでの間は配偶者ビザでイギリス滞在することができます。これは東京英国大使館、あるいはイギリス本国のホームオフィスへ許可を願い出ます。この許可が下りた後、レジスターオフィスで配偶者ビザの手続きをします。また、結婚してから2年が経過している場合には、永住権であるレジデンスビザを申請することもできます。配偶者ビザをイギリス本国で申請する場合には、持っているビザの残りが3ヶ月以上なければいけません。観光ビザからの資格変更もできません。
また、外国籍の相手が日本国籍を取得したい場合、相手が日本で3年以上暮らしているか、結婚後3年が経過していてそのうち1年以上を日本で生活していることが必要とされています。その他、20歳以上であること、素行が善良であること、日本へ対してのテロ行為などへの関与がないこと、日本語能力があること、などの条件があります。帰化申請をして結果が出るまで1、2年かかることもあるようです。また、フランスなどのように明文化された条件をクリアしていれば確実に国籍が取得できる国とは異なり、日本の場合は法務局の判断によるために他国と比べても、国籍取得が難しい部類に入るといえます。